その4 : 教会報と教区報
天理図書館には届いた郵便物などを各係・室へ仕分けするボックスがあります。天理教文献室のボックスには平均して毎日10通ほどが届きますが、その半分以上が各地から届く教会報と教区報・支部報です。
教会報、教区報出版の歴史は古く、天理教文献中に占める位置も大きいと言えます。最も古いのは、明治37年発行の『興徳時報』で、河原町分教会(現河原町大教会)が発行したものです。この後、明治時代末から大正時代にかけて教会報、教区報が続々創刊されることになります。今回は最近の教会報、教区報・支部報についての話題を提供します。
みなさんもよくご存じの通り、近年パソコン(ワープロ)が普及し、誰でも簡単に文書を作成、印刷出来るようになりました。このことにより教会報、教区報の出版がたやすく出来るようになりました。一昔前には、費用や編集手間がかかるため有力教会でなければ教会報は出せませんでした。しかし、現在は会長さんや担当する人が「その気」にさえなれば教会報を出版できるということです。事実、現在では(失礼ながら)小さな教会も教会報(月報)を出版しています。「その気」になれば、と書きましたが、「その気」を長く持続させることは簡単ではありません。一時の情熱だけではやがて冷めてしまいます。やはり、しっかりした信仰と誠真実の気持ちが長続きさせるのでしょう。
現在(平成20年4月)、天理図書館に届けられている教会報、教区報、支部報の通巻号数の多いものを紹介しましょう。
教会報
1 | 天 龍 | 郡山大教会 | 915号 | 大正14年創刊 |
2 | 湖東月報 | 湖東大教会 | 805号 | 大正13年創刊 |
3 | 本島通信 | 本島大教会 | 775号 | 昭和3年創刊 |
4 | 敷 島 | 敷島大教会 | 736号 | 大正12年創刊 |
5 | 恵 心 | 大江大教会 | 732号 | 昭和10年創刊 |
6 | 月刊湯川 | 湯川分教会 | 712号 | 昭和23年創刊 |
7 | 京城通信 | 京城大教会 | 711号 | 昭和24年創刊 |
8 | 愛町月報 | 愛町分教会 | 707号 | 昭和24年創刊 |
9 | 正 明 | 南海大教会 | 702号 | 大正13年創刊 |
9 | あおのはら | 青野原分教会 | 702号 | 昭和23年創刊 |
注)大正から昭和初期に創刊されたものは、全て一時休刊しています、創刊が早くても号数の少ないものがあるのはそのためです。
教区報
1 | 赤 心 | 大阪教区 | *705号 | 大正14年創刊 |
2 | 広 島 | 広島教区 | 656号 | 昭和27年頃創刊 |
3 | 新潟理生 | 新潟教区 | 654号 | 昭和28年頃創刊 |
4 | 神奈川 | 神奈川教区 | 641号 | 昭和29年頃創刊 |
5 | のうひ | 岐阜教区 | 579号 | 昭和31年創刊 |
6 | 教 友 | 東京教区 | *550号 | 大正14年創刊 |
注)*印の「赤心」「教友」は大正期に創刊、昭和6年から第二次世界大戦終了後まで一時休刊。それぞれ昭和24年、同28年に復刊されました。現在の通巻号数に戦前の発刊分は含まれていないので、戦前分を加えると赤心は774号くらい、教友は677号くらいになります。
支部報
1 | 甲 南 | 兵庫教区甲南支部 | 612号 | 昭和31年頃創刊 |
2 | ながた | 兵庫教区長田支部 | 498号 | 昭和41年頃創刊 |
3 | 東部支部報 | 鳥取教区東部支部 | 450号 | 昭和45年頃創刊 |
以上の雑誌は、天理図書館に届くものから選びましたので、他に発刊号数の多いものがあるかもしれません。ご容赦願います。なお、「○年頃創刊」としているのは第1号が所蔵されておらず、推定の創刊年です。
このまま行けばやがて1000号を越えるものが出てきそうです。教内外を問わず、一般に会報が1000号を越えるのは大変なことです。それだけで尊敬に値します。