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その8 : 天理教一枚刷り集

天理教文献資料「天理教一枚刷り」の続編です。一枚刷りの発行は本教史、特に教会本部行事と深い関係があります。おやさとの出来事にあわせて一枚刷りは制作、販売されました。それはとりもなおさず、本部に帰参した人たちへのお土産用だったからです。

前回の天文献だよりで紹介した『おぢばがえりのお土産絵 一枚刷り版画集』のタイトルは一枚刷りの発行主旨からとったものです。


一枚刷り発行のきっかけとなった教史の時代を挙げると、

1教祖現身お隠しから教祖10年祭まで(教祖墓地造営など)
2一派独立まで(天理教校開校や信者詰所の建築など)
3一派独立のころ(おやしき風景や大祭の実況など)
4大正普請のころ(本部土持ちや神殿普請など)
5教祖40年祭にむけて(大祭の実況、おやさとの賑わいなど)
6昭和普請と両年祭(おやさとの広がり、南礼拝殿、教祖殿御用場普請など)

でしょうか。


1から6までの間に制作、販売された一枚刷りを挙げてみましょう。

1「神道天理教会本部神楽式図」 明治28年 増野正兵衛刊

ぢばを囲んでのかぐらづとめの図。明治29年の内務省訓令後、しばらくかぐらづとめは務めることが出来なくなるが、その前年に発刊されたもの。『道の友』記事で本図が道友社(社長:増野正兵衛)の発行であることが分かる。

2-1「本部名所 御本籍庭園」 明治36年 木下松太郎刊

明治時代の浮世絵師、川崎巨泉の絵。上図は本席飯降伊蔵邸前の花見の様子を描いている。右の梅は樹齢800年と伝えられる。「本部名所」はこの他、教会本部全景、天理教校、各詰所などがある。

2-2「本部名所 山名分教会出張事務所(ほか)」 明治36年 木下松太郎刊

上図と同じく川崎巨泉の絵。山名、兵神、島ヶ原分教会の出張事務所(信者詰所)を描いたもの。

3「[天理教祖傳]」(芝居番付)

約10年の独立請願運動が実り本教は明治41年11月27日、教派神道の一派として独立を果たした。独立前、本教に批判的だった一般社会も独立後は好意的な目を向けるようになる。本図はそのような状況下での芝居番付。大阪道頓堀角座でのもの。第一番目の演目に「天理教祖傳」がある。

4「本部敷地つちもち紀念図」

豊田村の山からおやしきまでの土持ちひのきしんの図。やがて始まる大正普請に備えて境内地の整地が始まる。様々な服装で喜びにあふれた人たちが描かれている。

5「天理教御地場図絵」

教祖40年祭直前に発行されたおぢば観光案内鳥瞰図。遠く大阪、京都の町も書き入れた立体的な図。おぢば帰参者向けに作られたものだろう。

6「天理教御地場案内図」

昭和普請完成直後を描いたおやさと地図。教会本部附近には「増築工作場」「教祖殿工作場」「御用場工作場」などがあり、丹波市駅北には天理教専用側線の「仮停車場」も描かれる。

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