令和2(2020)年3月末日現在の蔵書数は約150万冊(平成24年度より情報ライブラリーとして独立した旧大学分館の蔵書数を除く)、和漢書と洋書の比はほぼ3対1です。
蔵書は一般に、各分野にわたって広く集め、基本図書はかなり完備していますが、一面、創設時の主旨に基づき分野を見さだめ、その関係資料において図書館としての特色が現れるよう蒐集を行っています。その結果、宗教学、東洋学、オリエント学、考古学、民俗学、地理学、言語学、国文学等において精選された資料を組織的に蒐集し、それぞれの分野では極めて貴重な文献を数多く所蔵することとなりました。
特筆すべきは、東西世界の交渉史関係資料、カトリック東洋伝道史資料、古きりしたん文献、日蘭交渉史関係資料等の書群など。中でも『ぎやどぺかどる』(上巻)をはじめ、8種10点にのぼる“きりしたん版”は我が国史資料としても、世界文化史上においても重要な文化財です。
日本文学中、特に江戸文学では連歌、俳諧、小説、戯曲をはじめ、国学、地誌、歌舞、芸術等にわたっても広く蒐集し、芭蕉、西鶴、近松、秋成、馬琴、守部、宣長、春海等の文学者に関するものは直筆資料だけでも少なくありません。そのうち、芭蕉の『貝おほひ』(寛文12年刊本)、西鶴『独吟百韻自註絵巻』、『馬琴日記』等は著名な資料です。
近代では、明治、大正時代稀覯文献、漱石、荷風等近代文豪の個人資料も数多く収蔵しています。
またグーテンベルク初印本『四十二行聖書』(原葉一枚)や著名な西洋古版本、古版画、古地図等の集成、ゲーテ、ハーンをはじめ西洋文人自筆書翰集、中国宋、元、明代の稀覯古典籍も豊富に所蔵しています。
これらのうち『日本書紀神代巻』『劉夢得文集』など6点が国宝に、『和名類聚抄』『古事記』など87点が重要文化財に指定されています。
更に、国内、国外の逐次刊行物は約16,000種を数え、バックナンバーも充実しています。このほか、江戸時代浄瑠璃本版木約15,000枚、本居宣長『訂正古訓古事記』版木170枚、古義堂遺書版木約1,200枚、江戸末期の木活字約5万個、近代欧州製地球儀・天球儀約50基なども所蔵しています。