天理図書館
蔵書数約150万冊の やまとのふみくら

< 戻る
ホーム ホーム > 展覧会 > 天理ギャラリー展  > 漢籍と日本人 -中国古典籍の伝来と受容-

展覧会

天理ギャラリー展  

漢籍と日本人 -中国古典籍の伝来と受容-

開館記念展
開館83周年記念展
  • 会期:2013年10月19日〜11月10日
  • 時間:午前9時〜午後3時30分
  • 会場:天理図書館 2階展示室
天理ギャラリー展
第152回展
  • 会期:2014年5月18日〜6月15日
  • 時間:午前9時30分~午後5時30分 (会期中無休・入場無料)
  • 会場:天理ギャラリー(東京天理教館9F)
  • 担当:図書館
  • 講演会 平成26年5月31日(土)14時から 高橋 智氏 (慶應義塾大学附属研究所斯道文庫教授)「漢籍を支えてきた蔵書文化」

 漢籍は古代より辛亥革命までに中国人によって著された書籍の総称である。日本への伝来は、応神天皇の御代(4世紀)百済王が和邇吉師(王仁)を遣わして『論語』と『千字文』を伝えたと『古事記』に記されていて、仏教よりも早い伝来がうかがえる。奈良時代には律令制のもと官吏志望者が『周易』『尚書』『毛詩』『礼記』『春秋左氏伝』『孝経』『論語』などの修得を義務づけられ、政治・制度の手本は漢籍から吸収された。国風文化が栄えた平安時代にあっても、『枕草子』の一節「ふみは文集[白氏文集]、文選、…」との記述にみられるように、王朝貴族の教養に欠かせぬものとなり盛んに書写・伝承された。鎌倉・室町時代には留学した禅僧らが、更に多種多様な漢籍を将来・覆刻して、朱子学や陽明学等といった日本人の思想に深く根ざしていく新しい学問も次第に広まっていった。室町から江戸時代にかけての印刷技術・事業の発展は、読者層の更なる広がりをもたらし、漢籍による学問・教養享受の恩恵は武士階級に止まらず、一般庶民へと伝播し、近世日本人の精神文化に多大な影響を及ぼした。
 「漢籍と日本人」と題して、奈良時代から江戸時代までを、館蔵の出陳書で概観する。この度の展示を通じ、現代の日本人にはすっかり疎遠となった漢籍(中国の古典籍)を、日本人が古来どのように受け容れ、伝え、広めてきたかを見て頂ける一助になれば幸いである。

☆国宝 ◎重要文化財 〇重要美術品

ギャラリー展では同番号のうち、茶色資料を出品します
ご注意下さい

Ⅰ.奈良~平安時代

  1 毛詩正義 断簡 唐代(7-8世紀頃)写
  2 古文孝経 断簡 奈良末期写
  3 翰林学士詩集 断簡 天平13(741)写
  4 文館詞林 断簡 弘仁14(823)写
  5 群書治要 巻第三十断簡 平安中期写
  6 ◎五臣注文選 巻第二十残巻 平安中期写
  7 ◎趙志集 平安中期写

翰林学士詩集 断簡
翰林学士詩集 断簡

五臣注文選 巻第二十残巻 平安中期写<重文>
五臣注文選 巻第二十残巻 平安中期写<重文>

Ⅱ.鎌倉~室町時代

  8 ◎蒙求 建保6(1218)写
  9 ◎白氏文集 巻第三十三 寛喜3(1231)写
 10 貞観政要 巻第七 乾元2(1303)写
 11 ◎古文尚書 巻第十一 元享3(1323)写
    古文尚書 巻第四 鎌倉末期写
 12 〇論語義疏 室町初期写
 13 大学章句 永正13(1516)写
 14 五行大義 天文9-10(1540-41)写
 15 長恨歌伝付長恨歌・琵琶引・野馬台之起 室町末期写
 16 ☆欧陽文忠公集 宋版   嘉泰- 開禧頃(1201-07) 刊
      同(複製)
 17 ☆劉夢得文集 宋版  紹興年間(1131-62)刊
      同(複製)
 18 ◎捜神秘覧 宋版 光宗・寧宗朝(1189-1224)刊
    白氏六帖事類集 巻第二十二~二十七 宋版 南宋前期刊
 19 増広事聯詩苑学吟大備珍珠嚢 元版 大徳元(1297)序刊
 20 新編古今事文類聚 明版 天順期(1457-64) 刊
 21 論語集解 正平版 正平19(1364) 刊(後印)
 22 春秋経伝集解 五山版 南北朝初期刊
 23 古文尚書 巻第一~六 五山版 南北朝前期刊
 24 王状元集百家註分類東坡先生詩 五山版 南北朝期刊
 25 新編翰林珠玉 五山版 貞治2(1363) 刊
 26 集千家註分類杜工部詩 五山版 永和2(1376)刊
 27 韻府群玉 五山版 南北朝中期刊
 28 論語集解 周防版 明応8(1499)刊
 29 歴代序略 (今川) 駿河版 天文23(1554)刊
 30 新編名方類証医書大全 堺版  大永8(1528) 刊
 31 四体千字文書法 堺版 天正2(1574) 刊
 32 周易[秘]抄 清原宣賢自筆 享禄頃(1528-31)
 33 於雲沢蒙求聞書 永禄元(1558)写

白氏文集 巻第三十三 寛喜3(1231)写<重文>
白氏文集 巻第三十三 寛喜3(1231)写<重文>

古文尚書 巻第一~六 五山版
古文尚書 巻第一~六 五山版

Ⅲ.江戸時代

 34 古文孝経 慶長勅版 慶長4(1599)刊
 35 新雕皇朝類苑 元和勅版 元和7(1621)刊
 36 標題句解孔子家語 伏見版 慶長4(1599)刊
 37 群書治要 駿河版 元和2(1616)刊
 38 帝鑑図説 秀頼版 慶長11(1606)刊
 39 文選六臣註 直江版 慶長12(1607)刊
 40 史記 嵯峨本 慶長期(1596-1615)刊
 41 魁本大字諸儒箋解古文真宝後集 古活字版 慶長14(1609)刊
 42 聖宋千家名賢表啓翰墨大全 慶元6(1200)序刊
 43 分類補註李太白詩 至大3(1310)刊
 44 大函集 万暦19(1591)刊
 45 文献通考 正徳16(1521)刊
 46 四書・五経 松平定信筆
 46 付 四書・五経題簽 徳川治宝等筆
 47 孟子古義 伊藤仁斎自筆 天和3(1683)
 48 七経孟子考文 享保13(1728)写
 49 論語集解攷異 木活字版 寛政3(1791)刊
 50 韓非子翼毳稿本 太田全斎自筆 享和元(1801)
 50 付 韓非子翼毳 木活字版 享和元(1801)刊
 51 大唐六典 享保9(1724)序刊
 52 御注孝経 寛政12(1800)跋刊
 53 唐詩選 無点小本 寛保3(1743)刊 付訓半紙本 明和4(1767)刊
 54 玉台新詠 官版 文化3(1806)刊
 54 付 孫子十家 嘉永6(1853)重刻
 54 付 子 嘉永5(1852)後印
 55 逸周書 彦根藩 天保2(1831)刊
 56 資治通鑑 津藩 嘉永2(1849)補刊
 57 韻府一隅 仙台藩 文化11(1814)刊
 58 耕織図 姫路藩 文化4(1807)跋刊
 59 論語 庄内藩 文化年間(1804-18)刊
 60 佚存叢書 寛政11(1799)-文化7(1810)刊

群書治要 駿河版
群書治要 駿河版

七経孟子考文
七経孟子考文

ページの先頭へ