今年は、古義学を唱道し古義堂を創設した、伊藤仁斎の没後三百年にあたる。この度、仁斎の遺徳を顕彰し、「古義堂文庫」(約五千五百点一万冊)中より、仁斎及び古義堂関係資料を中心に、古義堂伝来の書物を精選し展示する。
 仁斎は、朱子学を批判し、孔子・孟子の本来の思想・原義を究明する古義学とよばれる学説を唱道した、江戸時代前期の独創的な儒学者である。寛文二年(1662)、京都堀川の自宅に私塾古義堂を開き、宝永二年(1705)に七十九歳で生涯を終えるまで門弟に自説を講じた。古義堂は、仁斎没後も伊藤宗家の人々によって二百四十年余受け継がれ、明治期まで及んだ。近世の知名な学塾で、一つの血筋をもって、永年、運営継承されたことは極めて希有である。
 ところで、古義堂には、仁斎著述の稿本類をはじめ多くの古義堂関係資料・蔵書が伝存してきたが、昭和十六年から二十年にかけて本館に一括移譲され、名儒一統の偉績を今に伝えている。今回の展示を通じ、近世を代表する碩学の業績を、推敲多き稿本類から感じとっていただき、併せて仁斎の教えを家学として継承してきた古義堂の歴史的・文化的意義に思いを馳せる機会となれば幸いである。
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会 期 : 平成17年5月15日(日) ~ 6月12日(日)
時 間 : 午前10時 ~ 午後6時 (土・日は~午後4時)
会 場 : 天理ギャラリー(東京天理教館9F)

講演会 平成17年6月4日(土) 午後2時より
         大谷雅夫 (
京都大学教授) 「伊藤仁斎の詩歌と学問
出 品 書 目         ◎国 宝 ○重要美術品

<仁斎関係資料>
  1 古学先生肖像
    付:先哲像伝(伊藤仁斎肖像)  弘化二年刊 
  2 〔誕生日之控〕
  3 家系略草   東涯等筆 
  4 先府君古学先生行状  宝永四年刊  
    付:草稿本  東涯自筆 
○ 5 仁斎日記 天和二年七月朔日~天和三年十二月晦日 
○ 6 〔町中定〕 貞享二年二月朔日   仁斎筆 
○ 7 遊摂州記(『古学先生真蹟』より)  仁斎自筆 
○ 8 仁斎書簡(『先君子手帖雑書』より) 元禄十二年三月十三日付東涯宛
○ 9 鳥居公墓碑銘稿本  仁斎自筆   
  10 東涯日記   東涯自筆
  11 古学先生墓碣打本
○ 12 清閑硯
○ 13 所用印
○ 14 仁斎先生真跡「徳必有隣」



<仁斎の著述書>
○ 15 論語古義 第二本・林本・東涯手沢本
○ 16 孟子古義 自筆本・林本・東涯手沢本
    付:板木
○ 17 中庸発揮 第一本・元禄七年校本・東涯手沢本
    付:板木
○ 18 大学定本 改修本・元禄十年校本・東涯手沢本
○ 19 語孟字義 最古稿本・林本・東涯手沢本
    付:贋刻本
○ 20 童子問 元禄六年自筆本・林本・東涯手沢本
○ 21 古学先生文集 仁斎先生文集・底本・東涯東所書入本
○ 22 古学先生詩集 仁斎先生詩集・林本・歴代手沢本
    付:板木
○ 23 和謌愚草 自筆浄書本
○ 24 古学先生和歌集 林本・東所本



<古義堂関係資料>
  25 古義堂額  花山院愛親筆
  26 古義堂書庫売買証書 元禄十一年二月六日
  27 水哉閣大字  東涯筆
○ 28 同志会籍申約・同志会式  小河成章筆
○ 29 誠修筆記
○ 30 古学先生訳文  仁斎筆
  31 訳 林
  32 制義録
○ 33 私擬策問  仁斎自筆
  34 論語古義講録  東里筆
  35 家訓大略  東岸自筆
  36 古義堂遺書総目叙釈  東所自筆
  37 古義堂書籍目録  東峯自筆 
○ 38 歴代初見帳  仁斎・東涯等自筆
  39 先游伝(『紹述先生遺稿』より)  東涯自筆



<東涯ほか>
  40 紹述先生肖像
  41 名物六帖 底本  東涯自筆
  42 制度通  東涯自筆
  43 古今学変 第二校本  東涯等筆
  44 盍簪録  東涯自筆
  45 秉燭譚  東涯自筆
  46 修成先生肖像
  47 操觚字訣 第二浄書本  東所自筆
    付:東涯草稿本(『紹述先生遺稿』より)
  48 見聞談叢  梅宇自筆



<古義堂旧蔵本>
  49 論語集解 明応版  明応八年刊
  50 新雕皇朝類苑 元和勅版  元和七年刊
  51 景徳伝燈録 五山版  貞和四年刊
  52 皇元風雅 五山版  南北朝期刊 
  53 長恨歌伝 古活字版  慶長期刊 
  54 新編古今事文類聚 〔明版〕 〔明〕刊
◎ 55 欧陽文忠公集 宋版  南宋刊