版画は、木版、金属版、石版等によって、インクを紙等に写し取った作品のことである。西欧美術史の主流をなす油彩画、水彩画等に先行するものであったが、近代以降においても、何らかの手段によって物の形や輪郭を表すという線描性と、複数を制作することが可能な利便性、さらにモノトーンの高雅さが愛好されて、美術史の中で独自の位置を保ってきた。
 奈良県丹波市村(現天理市)出身の実業家岩井尊人氏は、滞英中収集した版画・素描のコレクション300点を、昭和初期、開館まもない天理図書館に寄贈された。その中には、ミレー、バーン=ジョーンズ、ロセッティ、ヴァラドンの素描をはじめとして、近代有名画家の貴重な作品が数多く含まれている。これまで知られることのなかった天理図書館の美術コレクションを公開し、広くご清覧を願うものである。
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会 期 : 平成11年5月16日(日) ~ 6月12日(土)
時 間 : 午前10時 ~ 午後6時 (土・日は~午後4時)
会 場 : 天理ギャラリー(東京天理教館9F)

講演会 平成11年5月22日(土) 午後2時より
         中林忠良 (
東京芸術大学教授) 「版-その意味するもの
出 品 書 目

1.夜の旅  G.クラウセン
2.ルーマニアの少女  G.クラウセン
3.土曜日の夜  K.F.クラウセン
4.横顔  E.C.バーン=ジョーンズ
5.羊の放牧  F.R.A.ショート
6.ベッドでの読書  J.A.M.ホイッスラー
7.芋をかつぐ人々  W.ストラング
8.パース橋  D.キャメロン
9.エディストーン灯台  J.M.W.ターナー
10.街角  F.プランギン
11.帆船  F.プランギン
12.ロンドン鳥瞰  W.L.ウイリー
13.風車  R.アレクサンダー
14.ホップ取引所、火事の後  S.アンダーソン
15.水車小屋のある流れ  J.カンスタブル
16.森を歩く2人の人物  G.モーランド
17.横顔  D.G.ロセッティ
18.横顔  S.ソロモン
19.アカデミー・スケッチ  P.モリス
20.女性のスケッチ  J.F.ミレー
21.耕す人  J.F.ミレー
22.水辺の牛飼い女  C.ピサロ
23.刈り草を乾かす人  C.ピサロ
24.春  C.E.ジャック
25.ローマ郊外  J.B.C.コロー
26.トスカーナの思い出  J.B.C.コロー
27.ピン止めした帽子  P.A.ルノワール
28.アルマン・ギラーミンの肖像  P.セザンヌ
29.4人の水浴する人物  P.セザンヌ
30.牧神とニンフ  C.ロラン
31.春  F.A.R.ロダン
32.海辺の母子  M.ドニ
33.化粧中のブロンドの女  P.A.ベナール
34.悪は思いと共に成す  P.ゴーガン
35.3人の裸女  S.ヴァラドン
36.魔女たちに相談するマクベス  F.Ⅴ.E.ドラクロワ
37.岩場の樫の木  T.ルソー
38.オランピア  E.マネ
39.教会にいる農民たち  A.ルグロ
40.リラ  F.J.Ⅴ.ロップス
41.男子の肖像  R.P.ボニントン
42.ブーローニュの森  A.ルペール
43.鍵を受け取る兵士  P.P.リュベンス
44.点灯  グェルチーノ
45.小椅子のマドンナ  ラファエロ・サンティ
46.子をだく若い女  ティツィアーノ
47.ひざまずいた女の後姿  ティツィアーノ
48.少年の肖像  B.シドーニ
49.酒樽の前のアレクサンダー大王とデイオゲネス  S.ローザ
50.騎士の行進  ステーファノ・デッラ・ベッラ
51.牢獄  G.B.ビラネージ
52.キリストの埋葬  パルミジャニーノ
53.聖母子像  A.アンドレアーニ
54.マクベスの4人の魔女  J.H・フュースリ
55.茨冠のキリスト  A.デューラー
56.まどろみ  H.トーマ
57.海水浴する若者たち  M.リーパーマン
58.立てる少女  L.コリント
59.船  E.ノルデ
60.男女の顔  R.H.ローゼンバーグ