蔵書について

 平成21年3月末日現在の蔵書数は約200万冊、和漢書と洋書の比はほぼ3対1です。
 蔵書は一般に、各分野にわたって広く集め、基本図書はかなり完備していますが、一面、創設時の主旨に基づき分野を見さだめ、その関係資料において図書館としての特色が現れるよう蒐集を行っています。その結果、宗教学、東洋学、オリエント学、考古学、民族学、地理学、言語学、国文学等において精選された資料を組織的に蒐集し、それぞれの分野では極めて貴重な文献を数多く所蔵することとなりました。

 中でも特筆すべきは、東西世界の交渉史関係資料、カトリック東洋伝道史資料、古きりしたん文献、日蘭交渉史関係資料等の書群でしょう。中でも『ぎやどぺかどる』(上巻)をはじめ、8種10点にのぼる“きりしたん版”は我が国史資料および世界文化史上の重要な文化財です。

 日本文学中、特に江戸文学では連歌、俳諧、小説、戯曲をはじめ、国学、地誌、歌舞、芸術等にわたっても広く蒐集し、芭蕉、西鶴、近松、秋成、馬琴、守部、宣長、春海等の文学者に関するものは直接資料だけでも少なくありません。その内、芭蕉の『貝おほひ』(寛文12年刊本)、西鶴『独吟百韻自註絵巻』、『馬琴日記』等は著名な資料です。

 近代では、明治、大正時代稀覯文献、漱石、荷風等近代文豪の個人資料も数多く収蔵しています。またグーテンベルク初印本『四十二行聖書』(原葉一枚)や著名な西洋古版本、古版画、古地図等の集成、ゲーテ、ハーンをはじめ西洋文人自筆書翰集、中国宋、元、明代の稀覯古典籍も豊富に所蔵しています。

 これらのうち『日本書紀神代巻』、『劉夢得文集』など6点が国宝に、『和名類聚抄』、『古事記』など84点が重要文化財に指定されています。(⇒指定書一覧

 更に、国内、国外の逐次刊行書は約12,400種を数え、バックナンバーも充実しています。このほか、江戸時代浄瑠璃本版木15,000枚、本居宣長『訂正古訓古事記』版木大小170枚、江戸末期木活字約5万個、近代欧州製地球儀・天球儀約50基などの参考品も所蔵しています。




特別文庫について

 創立以来、収蔵された200有余の各種文庫は、それぞれ文庫としてのまとまりを解かれ蔵書中に分類されていますが、次の4点については、そのまま特別文庫として整備し利用されています。

  綿屋文庫
 昭和13年、中山真柱家より寄贈された連歌・俳諧書中心のコレクション。黄橙文庫、川西和露文庫、石田春風文庫、藤井紫影文庫、北田紫水文庫等を加え17,000点29,000冊を所蔵しています。

  古義堂文庫
 京都堀川旧古義堂所蔵の伊藤仁斎、東涯より、その子孫に伝来した蔵書及び稿本類を収蔵しています。中に国宝『欧陽文忠公集』をはじめとする漢籍も含み、約5,500点1万冊を数えるに至っています。

  吉田文庫
 京都吉田神道家伝承集書の一部約7,000点。記紀類等に見るべきものがあります。

  近世文書
 大和王寺町の故保井芳太郎氏の30年余の蒐集にかかる近世大和の寺社・支配・庶民関係の文書・記録・地図等約6万点に、その後のものを加えた20数万点におよぶ地方史誌の集成です。